全身にかかる振動を把握するAI

オフロード車という単語を聞いたことはありますでしょうか。

オフロード車とは、いわゆる道なき道を走る車です。クロスカントリー車やヘビーデューティー車とも呼ばれるオフロード車ですが、道なき道を走るために、運転者や同乗者にかかる振動はコンクリートを走るただの車とは比べ物になりません。

 

そのため、振動がどの程度かかっていて、今後どのような改良を進めていけばいいのかということが、非常に重要になります。しかし走行中の車内において、振動により全身にかかる負担を数値データ化するには、体重や姿勢といった身体的なデータとイスの柔らかさや車体の高さといった車体データなどさまざまな外部的要因が反映されるため、非線形的なデータが大量に出てしまうのが現状でした。要するに予測の難しいデータが大量に出てしまうため、解析ができなかったのです。

 

それを解決に導くような論文を今回ご紹介いたします。

ニューラルネットワークを用いると上記のような膨大な非線形データを解析することができるという報告が近年、話題になっていたという背景がありました。そのため、今回のような身体にかかる振動を予測するといった実験において、とても重要になるデータが取れる方法でした。

著者は、男女異なる身長体重の被験者を集め、イスからかかる振動を予測することに成功しました。この結果からニューラルネットワークによるデータ解析が振動を予測するのによいということが分かったため、さらなる高精度化にむけて、最適解を導くAIの導入を試みます。

 

今回は、日本人にはあまり馴染みのない、オフロード車内でかかる振動を予測し、解析するというコアな論文を紹介させていただきました。

なぜこのような論文を紹介したかというと、車だけでなくても、日本は地震災害国であり、こういった振動に対する訴求があるだろうと思ったからです。

かなり飛躍した理論かもしれないですが、こういったところから意外と解決に結びつくという事例も研究の世界では多いのです。

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Hamid Taghavifar et al.(2018).Supervised ANN-assisted modeling of seated body apparent mass under vertical whole body vibration.Measurement.

 

ライター:

株式会社wevnal Chatbot AI事業部 木村駿