AIは万能じゃない

「シンギュラリティ(Singularity)」という言葉も最近では落ち着きをみせていますが、いまだに話題性のある言葉の一つなのではないでしょうか。シンギュラリティとは、AIが発達し、人間の知性を超えることにより、我々の生活を大きく変化させることになるという概念を意味します。レイ・カーツワイル博士は、「2045年がシンギュラリティが起きる元年である。」と提唱しています。

しかし、現時点(2018年)でAIができることは、まだまだ限られています。そこで今回は、まだまだ苦手な分野も多いAIについて、その代表的な課題を4つご紹介していきます。

AIの4つの課題

  1. フレーム問題

フレーム問題とは、人工知能における重要な難問の一つで、有限の情報処理能力しかないロボットには、現実に起こりうる問題全てに対処することができないことを指します。例えば、有名な『Alpha GO』は囲碁に特化したAIで、囲碁なら世界中の猛者に勝つことができますが、画像認識や音声認識はできません。それは『Siri』や『Google Home』も同様に、音声認識やテキストマイニングはできますが、歩くことも囲碁で勝つこともできません。AIはあくまでアルゴリズムであり、データが無いと何もできないため、人間のように事象を理解し解決策を0から考え出すという能力を付けるためには、データ量が無限にないといけないのです。

  1. 関連づいた業務

AI分野において非常に重要な『機械学習』。機械学習とは、コンピュータに何かしらの命令とデータを与えることで、その知能を向上していく研究分野です。この機械学習は、膨大な時間と手間を有する定型作業を人間に代わって行うために研究されています。

この機械学習は、特定のパターンを抽出するには非常に優れています。例えば、Amazonでプロテインを買うと、違うページに飛んでもプロテインがおススメとして出てくるなどことはよく見ますよね。しかし、プロテインを購入していたけど、この人は薄毛も気になっているだろうというような、データにないことをレコメンドするということを、AIはできないのです。

  1. シンボルグラウンディング問題

外部世界にあるものと、コンピューターが理解した記号がうまく結びつかない現象をシンボルグラウンディング問題といいます。例えば、我々人間は『馬』と『縞』という単語の意味を知っていたら『シマウマ』と判断することが出来ます。しかし、コンピューターはこれらの情報からだとシマウマをイメージすることはできません。AIが発展してきて、何でもできるのだろうと思える今ですら、簡単な日常会話すらAIができない理由は、データ化されていない日常会話に対応できないからなのです。

  1. 心からくる身体的な問題

現在、AIには人間のような心はありません。そのため、感情によって表情を変化させることや、喜びや悲しみからくる身体の変化はAIには感じられないのです。その原因は、人間の感情をデータ化することが常に困難なためです。

今回取り上げたように、実はまだAIには課題がたくさんあるため、よく言われている人間を操るようになるとか、ターミネーターのような世界が来るにはかなりの時間がかかりそうですね。

 

Huimin Lu et al.(2018).Brain Intelligence: Go beyond Artificial Intelligence. Mobile Networks and Applications.

 

ライター:株式会社wevnal ChatbotAI事業部 木村駿