AIが、我々を説き伏せる世の中になるかも!?

説得や交渉はビジネスシーンはもちろんのこと、日常生活の中でも盛んに行われていますよね。どのような言葉を使えばいいか、相手の表情や声色など様々なことを考えつつ、自分の意見を伝え相手を納得させるために、考えることは山ほどあります。かく私も、説得や交渉といったコミュニケーションは苦手で、出来ればそんなことはせずに人生を終わらせたいと思っておりますが、なかなかそうはいかないんですよね…。

そんな我々を悩ませる『説得』や『交渉』というコミュニケーションにおいて、革新的な論文が発表されました。近年さまざまなECサイトやFacebook、LINEでも話題となっているAIチャットボットにおいて、ユーザに対しシステムが説得や交渉ができないだろうか?という論文です。

本論文は2018年はじめに、「知的対話システム」という日本の論文雑誌に掲載されました。

感情を取り入れたシナリオがAIによって可能に?

著者はこの論文の中で、説得や交渉において最も大事なことは、相手の感情を読み取ることであると述べています。システムは人間の感情を読み取ることはできますが、システム自身の感情を文章化することに関して、今まで行われていませんでした。ユーザーとの交渉や説得に、世界で初めて感情を付与したテキストを返信することを試みました。

本論文中の会話パターンとしては、「掃除をしましょう」とシステムが説得をスタートしてから、ユーザーが掃除を始めるまでの会話シナリオと、「ジョギングをしましょう」からユーザーが行動するまでの会話シナリオが取り上げられていました。

上記の会話シナリオでは、ユーザーがシステムの発話を受け入れた場合は「喜び」の感情を、ユーザーがシステムの発話を受け入れなかった場合には「怒り」の感情を入れ込み説得に導いていきました。

世界で初めて感情を会話シナリオに入れた今回の論文では、感情表現が説得に有効であるかはユーザーによって大きく異なるため、従来の無感情な会話シナリオとの顕著な差が見られないという結果に終わってしまいました。そのため今後の展望として、ユーザーの反応から得られる感情表現に対する正確な言葉や、説得成功を報酬とした強化学習が、今後のAIチャットボットの発展に繋がるだろうと述べています。

今回取り上げた論文は、日本人が書いた論文だったのですが、説得や交渉は国によって全く異なるので、もしかしたらこの方法でも別の国なら成功していたかもしれないと思いました。

この技術が今後発展すれば、説得や交渉をAIが担う分野が出てくるかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

AIが感情を理解

人の感情を理解し、人工知能で動くチャットボット

Yoko Ishikawa et al.(2018).Persuasive dialog system using emotional expressions.人工知能学会論文誌.

 

ライター:株式会社wevnal AIChatbot事業部 木村駿