AI×医療の現状とこれからの課題

「AI×医療」が今多くの研究者で話題になっているのはご存知でしょうか。現在、医療系の分野におけるAIの導入は多くの研究がなされています。しかし、AIをヘルスケア領域に用いるためにはまだ課題があるのも事実です。 今回は、そんな「AI×医療」の現状とその課題点を分かりやすくご紹介します。

AI×医療 重点6分野とは?

国としては、例えば2017年の6月に保健医療分野におけるAI活用懇談会の報告書などが出ております。「ゲノム、画像、診断・治療、認知症、手術支援ともうひとつ、創薬(医薬品開発)」この重点6分野について厚生労働省としてのロードマップが出されました。

 

 

また、去年から保健医療分野におけるAI開発コンソーシアムが始まりました。医療系分野におけるAIの導入は少しずつですが進み始めていて多くの研究がなされています。

AI医療の導入事例

2016 年、東京大学医科学研究所附属病院で、米 IBM「ワトソン」が専門の医師でも診断がかなり難しい特殊な白血病の事例をわずか 10 分ほどで見抜き、ワトソンを参考に医師が治療法を変更した結果、60 代の女性患者の命が救われました。ワトソンは 2000万件にのぼる癌研究の論文を学習しており、この他にも医師では診断が難しかった2人の癌患者の病名を突き止めるなど、合わせて 41 人の患者の治療に役立つ情報を提供しました。

一方、国内の現場レベルの医療ではどのようにAI技術の導入は進んでいるのでしょうか。
実は、事務処理レベルではカルテ入力補助としてAIが使われており、風邪などの主訴や経過、オーダー、病名など入力が必要な項目をセットで入力できるようにするなど、医療関係者の業務の効率化や診断の補助に活用されています。その数はクリニック全体の2割にのぼり、今後さらに増える可能性も指摘されます。

また、がんセンターなどの医療機関では国内の症例データを活用したがんの類似症例診断システムを導入。類似症例が提示されることで疾患の候補がより具体的になり、医師が疾患を診断する際の参考になっています。

研究の段階では、医療現場にAIを用いた画像認識を活用研究しているエクスメディオという企業があります。同社はアトピー性皮膚炎などの皮膚病をAIで自動診断する技術の開発に力を入れており3年以内の実用化を目指しています。

富士フイルムやオリンパスなども内視鏡検査で胃がんなどの疑いを自動判別する技術を研究し、20年を目処に実用化をめざし開発に取り組んでいます。

今後の課題

しかし、まだ多くの病院に取り入れられていない理由として、「AIによる診断をした」という例が少ないことが挙げられます。実はまだ、AIのみによる診察は法律で禁止されています。

保健医療分野におけるAI活用推進懇談会報告書(厚生労働省)においても「AIの推測結果には誤りが有りうる。このような状況を踏まえ、診断確定や治療方針の最終的な意思決定は医師が行い、その意思決定の責任も当該医師が負うべきである」と記載されています。

そのため、現在は画像診断をAIで行ったものを医師がチェックするというダブルチェック状態なのです。

さらに、診断画像は個人情報として残るため、その漏洩を危惧する患者が数多くいることも未だに病院での使用例が少ない要因としてあげられます。究極の個人情報である医療情報が生命保険会社や自身の所属する会社などに流れたり、自分以外誰にも知られたくない医療情報が家族や友人などに知られたりすれば、大きな不利益を被ってしまいます。

AI によって出された医療上の結論に対して責任の所在がどこにあるのかについての問題もあります。この問題は、自動車などの自動運転機能を用いた運転中の交通事故とも似ています。責任は医師にあるのか、AI の開発者にあるのか、それともまた別のところにあるのか、といった議論および法的な整備がまだ追いついてないのです。

また、AI による診断を医師や患者が受け入れることができるかどうか、という心理的問題も残ります。機械学習や深層学習ではなぜその結論に到達したのかを論理的に説明できず、ブラックボックスのように解が出力されるため、その結果を医師や患者自身が納得して受け入れることが難しいと考えられています。

 

今後の期待

しかしAIによる診断は、高齢者人口の増加に伴う需要の増加に対し、医療従事者の不足に対処する新しい方法であることは確かです。しかし、AIは法律、ビジネス、技術、またはその他さまざまな制約のために、現在まででグローバル規模で実用化されていることはめったにありません。

そのため、今世界中でAIに関する保護法を作成している最中であり、研究者たちもさらなる技術発展に邁進している最中なのです。

今回はAIが医療分野においてこんなに話題になっているのにもかかわらず、なぜ表舞台になかなか出てこれないのか?という疑問について一つの答えを提示した論文をご紹介させていただきました!

多くの研究者の方々のおかげで、技術的には信頼のおける診断が可能になってきたのは間違いありませんが、ここから先は行政や人間本来の無意識な機械に対する拒否感が、足踏みの原因になるかもしれませんね。

 

 

 

 


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