広告業界にもAIが進出!これからの広告ビジネスのゆくえとは?

近年、様々な業界でデジタル化・AI化が進展していますが、インターネットの普及とともに早くからデジタル化した「広告・マーケティング業界」でも、今AI化が大きく前進しつつあります。これまで企業がマーケティングを考えるときは「マスからの出発」が一般でした。しかし今後のマーケティングでは、「たった1人」にターゲティングしていくことが求められています。

今回は、広告・マーケティング業界におけるデジタル化の歴史を振り返りつつ、急速に普及が進んでいるAI活用例を取りあげていきたいと思います。

目次
(1)デジタル化の波を経てきた広告・マーケティング業界
(2)ビッグデータによるオーディエンスターゲティング
(3)Facebookが独自の開発したAIの機械学習プラットフォーム、予測エンジン「FBLearner Flow」
(4)AIで広告を出しわける!?「Face Targeting AD」とは?
(5)AIで「バズ」を予測する。AIが可能にする流行予測と広告の最適化
(6)データを制するものがビジネスを制する

(1)デジタル化の波を経てきた広告・マーケティング業界

デジタルテクノロジーの進化やデータ活用は、従来の公告・マーケティング業界に大きい変化をもたらしました。googleが台頭しはじめた2002年あたりからリスティング広告や、検索エンジン連動のバナー広告が普及し始め、検索キーワードや検索履歴、データ活用などによって顧客の可視化が進むことによって、セグメント層や個別のユーザーとしてターゲティングする形に変化してきました。

同時に、ブログやソーシャルネットワーキングも普及し始め、特にソーシャルメディアでは、特定のインフルエンサーやユーザーがどれぐらいのフォロワーを持っているか、どのような分野における影響力が強いかなどのデータを分析し、実際に影響力の強い人たちへ個別にアプローチが可能になりました。これまで見向きもされなかった一個人の発信する情報が社会に大きな影響を与える時代になり、マスという大きなメディアから、個人のメディアに力が分散しつつあります。
この流れは加速度的に高まり、さらに個人が社会に強い影響力を与える時代になるでしょう。

一方消費者も企業からの一方的な広告や発信を信用しなくなり、それよりもポータルサイトや信頼できるインフルエンサーの情報で判断するようになりました。
「21世紀は国家や企業などではなく、個人の力が増大する。」
アメリカの未来学者であるアルビン・トフラーはそう予言しましたが、現在、実際にそういう時代へと移行しつつあります。

(2)ビッグデータによるオーディエンスターゲティング

その後、個別のオーディエンスターゲティングを活用する環境が整備されてきたことから、ユーザーの傾向を分析しながら、クリックされる可能性が高い広告を発信することが可能になりました。適切なものを、適切なだけマッチングし「効率を向上させる」というのがオーディエンスターゲティングの基本です。

ユーザーの傾向を発見

例えば、「20代前半の東京に住む女性でよくコスメサイトを観覧する」というターゲットにたいしてコスメ関係の広告を表示するというターゲティングが可能となり、ユーザーが自分が興味関心のある広告に接する機会が増えます。これらのデータはサイト閲覧履歴等や、位置情報、スマホ・タブレットのOSが発行する蓄積された情報が使われていて、広告主は特定の要素のデータを保存・利用することが一般的になっています。(個人の特定はできません)

また、製品を購買する消費者の属性・行動ログと似たユーザーを抽出する「オーディエンス拡張」を利用することで、コンバージョンにつながりやすいユーザー層をセグメンテーションすることが可能となり、これもユーザーのデータを様々なソースから集めて、比較できるようになった結果です。

上記のような多数チャネルでの広告・マーケティング施策に対応するために、広告主は自社で多数のマーケティングとテクノロジーを組み合わせて利用する状況になっています。

今後、こういったパーソナルなマーケティングはさらに加速していくでしょう。それは、広告のビジネスモデル自体の根本的な変革を求めるものでもあります。こうした消費者に対して、マーケティング・ブランディングとはどうあるべきか、そして、その中で広告はどうあるべきなのでしょうか?

(3)Facebookが独自の開発したAIの機械学習プラットフォーム、予測エンジン「FBLearner Flow」

「FBLearner Flow」はFacebookで使われていた従来のシステムより優れたシステムとなるように開発されAIの機械学習による予測エンジンです。

蓄積された膨大な量のデータを解析することでユーザーの行動パターンをはじき出し、利用者が将来的に「どのような行動をするか」「何を購入するか」「どのような考えるをするか」という推測をもとに広告の提供ができるようになりました。

これらの情報は、位置情報や端末情報、Wi-Fiネットワーク情報、動画利用履歴、婚姻関係、そして友人情報などが関連して、例えば「ある商品から別の商品へと心移りしそうなユーザー」といったクラスターを抽出。そしてそのユーザーに対して、購買欲をそそるような商品の広告を強く打ち込むことで、通常より効率的にユーザーの心理に働きかけるという戦略です。

Facebookはこの一連の仕組みを「Facebook’s Machine Learning expertise(Facebookによる機械学習技能)」と呼び、自社の核となるビジネスの挑戦のために活用していたとのことです。

(4)AIで広告を出しわける!?「Face Targeting AD」とは?

博報堂と博報堂アイ・スタジオは、Face Targeting AD(フェイスターゲティング・アド)」というアウトドアメディア&ターゲティング広告配信システムのプロトタイプを発表いたしました。

これはシンプルに言えば、顔認証により、人の特徴や感情に合わせて広告を出し分けるAIサービスです。
従来のアウトドアメディア(デジタルサイネージなど)は、送り手側が用意した広告をその広告の前にいる人が誰であっても一様に同じ表示をしてきました。
一方で、Face Targeting ADは、鏡型のサイネージとなっており、鏡の前に立った人の年齢や性別、顔の表情を読み取り、クラウド上のAIがその人のその時の気分や体調を分析、その状態に最適な商品やサービスの広告を提示するというシステムです。
例えば、疲れていそうな人にはエナジードリンクの広告を出したり、髭が伸びてい流人には、シェービングクリームをの広告を出す、など。

これまで、行動ターゲティングや検索誘導など、パーソナライズした商品アプローチをする主戦場はオンライン上で、全てはプログラムアルゴリズムによる「数字」で管理されているものでした。ところが、AIの発達により、より定性的な情報を処理し、プログラム側で判断してアウトプットを構築することが出来るようになってきたのです。

また、このAIは広告の出し分けだけでなく「広告を見た消費者の表情やリアクションの分析も可能」とのことです。これが順調に進化していくと、言わなくても自分の気分に合うものが揃ったり。飲食店に入ったら勝手に食べたいものが出てくる。なんてことも実現可能かもしれませんね。

(5)AIで「バズ」を予測する。AIが可能にする流行予測と広告の最適化

電通はAIに関するノウハウと社内外のネットワークを集約し、AIに特化した全社横断のプロジェクトチーム「AI MIRAI」を立ち上げました。クリエイティブ、メディア、情報システム、働き方改革などの各領域のプロフェッショナルが集結し、マーケティング、ビジネスデベロップメント、ワークスタイルの3つの領域に分け、AIのビジネス応用を推進しようというものです。

例えば、情報収集では、流行予測ツールやWEBサイトクローリングAIが利用できます。
実際、既に流行予測ツールは使用しており、TVとSNSでのキーワード露出パターンを大量に学習していくことで、
ある言葉が出た時に、これから流行るのか流行らないのか、を推定してくれます。
この予測精度が高くなれば、クライアントへの提案など、大幅に説得力が増します。

また、オンライン広告のスコアリングにもチャレンジしていています。
SNSの広告の要素を分析し、その効果が良かったか良くなかったかを学習させることで、
広告の効果を事前に推測できるというツールで、こちらは2018年中の実践投入を目指しています。

(6)データを制するものがビジネスを制する

近年、テレビ・ネットワークの従来の広告モデルの崩壊が話題に上がらないことはありません。

米国では大手コンサルティング会社によるデジタルエージェンシーの買収が相次ぎ、デジタルAgency市場TOP5のうち、4社を既存の広告代理店以外の会社が占めてます。その業務は従来のコンサルティングやシステム構築の先にある、クリエイティブ、デザイン、デジタル、それらの戦略立案から表現まで多岐にわたります。

コンサルティング企業が経営レベルから広告・マーケティング分野に参入し、データ分析プラットフォームの導入やAIを使って業務の自動化を推し進めようとしてる中、その間にある、労働集約型であるエージェンシーは転換を迫られています。マスメディアの扱いや広告クリエイティブだけでは成長は少なく、今まで見えにくかったユーザー行動をデータで可視化し、解決策を提案する、というなコンサルティングサービスが今後、必要となってくるでしょう。


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