機械学習で火山灰を分析して迅速な噴火状況の把握が可能に。

 

機械学習の技術を活用して、「火山灰」の形状を判別、分類する技術を東京工業大学が開発しました。火山灰の解析を自動化することで、より迅速に噴火の状況を理解することができるようになると期待されます。火山灰の解析を自動化することができれば、形状判断をするための知識や経験に左右されない客観的な判断ができ、迅速な情報の収集にもつながります。

参照:https://www.titech.ac.jp/news/2018/041800.html

火山灰は重要な手がかり

「火山灰」の形状は、マグマの粘性や水との接触があったかどうかなど、その火山がどのように噴火したかを知るための重要な手がかりが得られるため、貴重な情報源となっています。

しかし、目視に頼っているのが現状で、それには高度な知識と経験が必要とされ、限られた専門家しか対応できない状況にありました。そのため、人里離れた遠隔の火山で噴火が発生した場合などは火山灰を採取してもそれを速やかに解析するのがなかなか難しい状況でした。

もし、火山灰の解析を自動化することができれば、形状判断をするための知識や経験に左右されない客観的な判断ができ、また、迅速な情報の収集にもつながります。

そこで、東京工業大学の研究チームは画像認識の技術を活用することで、火山灰の画像からさまざまな情報を即座に抽出することが可能ではないかと注目しました。

画像認識で粒子の形状を判別

今回、研究チームは火山灰粒子の画像を機械学習させて粒子の形状の判別を試みました。

粒子の画像は、ガラス上に散布した火山灰のしたからライトを照射して撮影し、粒子ひとつずつに切り取ったものを使用しました。

火山灰は、三宅島や伊豆半島、アイスランドで採取されたものを採用。これらの粒子画像を使って、「ブロック状」「えぐれている」「長細い」「丸い」という4つの特徴的形状に分類しました。

これらの粒子画像をAIに機械学習させたところ、判別精度はおよそ92%を達成しました。

しかし火山灰のような複雑な形状は、人間でも正解を決定するのが難しく、複雑であいまいな形状の粒子に関しては「形状の構成比率」で分類したとのこと。

粒子画像の例と各特徴的形状の確率(東京工業大学)

粒子画像の例と各特徴的形状の確率(東京工業大学)

つまり、「ブロック状」や「丸い」など各形状について、それぞれの確率の和として表現しています。確率の値は一つの粒子に含まれている各形状の割合に対応します。

現段階では、まだまだシンプルな画像とニューラルネットワークを用いているため、実用化にはさらに改良が必要とのこと。

将来的には火山灰の詳細な形状を学習させて精度の高いニューラルネットワークを使うことで、噴火の発生時に専門家がその場にいなくても迅速に火山灰の解析ができるようになると期待されています。

今後は、細かい特徴まで写された画像(例えば上画像)を用いて、火山灰粒子の色合いや質感(ザラザラ具合など)も機械学習で認識できることを目指すとのこと。 

また、今回用いた基準の形状に対する確率による分類は、火山灰以外にも、複雑な形状を持つ物体や生物を分類する際にも使える可能性があり色々な分野に応用できそうです。