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AI関連資格・コンペティションの紹介

AI関連資格・コンペティションの紹介

いざAIを勉強し始めても、その目標がなければきっとモチベーションは続きません。勉強をして褒めてくれる人が周りにいる人ばかりではないでしょう。そんな時は資格やコンペを目標にしてみましょう。本節では「AIをもっと勉強するために目標が欲しい!」 という方々に向けて、AIやその周辺知識をカバーすることができる資格・コンペティションとその特徴をまとめて紹介します。(注 : 難易度、転職有利度の2つの観点から評価を行なっていますが、あくまで参考程度の数値であること、また各個人のレベルや周辺知識によっても数値は変動することをご了承ください。)

1. JDLA G検定
      難易度 : ★★☆☆☆
      転職有利度 : ★★★☆☆

参考HP : https://www.jdla.org/business/certificate/

一般社団法人日本ディープラーニング協会(Japan Deep Learning Association : JDLA)によって実施されている、AIの “基礎知識” を確認するためのテストです。

G検定の ”G” はGeneralist(ジェネラリスト)の頭文字であり、一般的な事業活動や問題解決に適用するレベルのAI知識が問われます。

テスト形式は4択で、 制限時間 120分の中で200問超の問題を解く必要があります(多い!!)。 自宅のパソコンで試験日に受けるシステムとなっており、忙しい方にとっては受験の敷居が低い試験ともいえます。

例えば、以下のような問題が出題されます。

(引用元 :  新市場を創る人のデジタル戦略メディア 日経クロストレンド)

 

難しいですね・・・。

本問の正解は (2), (4)です。

これらの知識を正確に把握・運用することができれば、コンサルティングや営業などの経験者は実務においても活かす機会は多いでしょう。ネットなどで無料で解ける問題などもあるので、自信のある方やレベルを把握したい方は試しに解いてみてはいかがでしょうか?

参考 : G検定の模擬テスト http://study-ai.com/generalist/

世間評価については、「ITに携わるコンサルタント・ディレクター」や「 AIやBIツール導入したい or 販売したい営業マン」の方々にはAIへの意欲や基礎知識を証明できるので、是非ともおすすめできます。

しかし、数式やプログラミングに関する出題はほぼ出てこないため、「AIエンジニア」や「データサイエンティスト」を目指す方にはこれだけでは不十分と言えます。

 

2. JDLA E資格
     難易度 : ★★★★☆
     転職有利度 : ★★★★☆

参考HP : https://www.jdla.org/business/certificate/

一般社団法人日本ディープラーニング協会(Japan Deep Learning Association : JDLA)によって実施されている、AIの “実装のための知識” を確認するためのテストです。E検定の ”E” はEngineer(エンジニア)の頭文字であり、実際にAIのアルゴリズムを理解し、実装可能なレベルのAI知識を証明するための資格です。テストを受けるためには、JDLAが認定している講座を受講することが受験資格として課されています。そのため時間や金銭面で不安に感じる方は多いかもしれません。

現在、受験資格となるJDLA認定講座を開講している企業は8社あります。以下ページで受講可能企業を紹介しているので確認してみてください。

参考 : https://www.jdla.org/business/certificate/?id=certificate_No04

テスト形式は、制限時間 120分の中で100問程度の4択問題を解く必要があります。こちらはG検定とは違い、自宅ではなく指定会場で受験するCBT(Computer Based Test)形式になります。主にAIに関する基礎知識を問う問題、Pythonなどのプログラミング実装に関する問題、数学に関する問題の3つに大別された出題がされます。さらに2019年9月にシラバスの改定が発表され、実装における軽量化・高速化技術 に関する出題も行われるようになりました。

E資格を取得することができれば、転職に関しては多少の経験不足を補って、機械学習エンジニアとしてある程度の評価を得られるでしょう。ただし、認知度は高いとは言えないので、どの程度のことができるかをちゃんと自身の言葉で説明する必要はあるかもしれません。

AI(人工知能)への注目度は、年々高まっています。そのため一部企業では、日本ディープラーニング協会の主催する「G検定」「E資格」の社内合格者を公開して、自社のAIに関する知見をアピールする動きも出てきています。
そう言った人材がいることもAI開発のある意味1つの実績になります。

AI-SCHOLARを読んでいる読者は、今こそE資格を取得し、早めに自分のスキルアップを狙っていきましょう!
企業においてはある調査で、AI開発に成功している企業は社員全体のAIに対する知識レベルが高いそうです。
AI開発やAIを用いる社会になる今こそ企業は社員のAIレベルをあげましょう! 

 

3. 統計検定
     難易度 : ★★★☆☆
     転職有利度 : ★★★☆☆
   (2級を目安とした場合)

参考HP : http://www.toukei-kentei.jp/

統計検定は、一般財団法人 統計質保証推進協会によって実施されている「統計学」の基礎知識から応用までを確認する資格試験です。

4級・3級・2級・準1級・1級の難易度別の試験となっており、学問的な「統計学」の知識や問題解決能力を図る試験となっています。学問的とは言えど、AIやデータ分析に関する業務はそれら基礎知識をベースとして成り立つものなので、非常に重要であると言えます。(AIやデータ分析に携わるのであれば、社内にこの数理・統計的な知識を持つ人がいるかいないかで大きく成果に関わるとも言えます。)

その他、「専門統計調査士」や「統計調査士」と言った、社会・経済で広く利用される統計や各種の調査データの作成過程、および利用上の留意点などに関する総合的な知識水準を確かめるための試験も実施されています。

職種にもよりますが、「データ分析」に携わる人の転職・採用の目安としては一般的に2級が採用されることが多いです。

これは、2級以上は暗記だけでは解けない問題が多く、公式の意味や理論的な考え方をしっかりと把握できている必要があるからです。個人の数学力にもよりますが、0から始めて、働きながらであれば2級取得までに半年〜1年程度の勉強時間を要すると思われます。

準1級から1級は数学的にややレベルの高いものになっており、高校数学以上の知識を基礎として要求されます。なので、これら準1級から1級の合格者は、(一概には言えませんが) データ分析に対する対応力や標準的な数理知識、また吸収力を持っていると言えるでしょう。

また、統計学とAIの関係性に関してはこの記事を読んでいただければと思います。

AIを体系的に学ぶ – 1-2. AIと統計学の関係

4. Kaggle
      難易度 : ★★★★☆
      転職有利度 : (実績・称号により大きく異なる)

参考HP : https://www.kaggle.com/

Kaggleは、データ分析・機械学習モデルのコンペティションをオンラインで開催している企業 (2017年 Googleによって買収) であり、そのコンペティションを総称してKaggleと言うこともあります。

大小様々なコンペティションが行われており、賞レースの形で開催され、研究所や企業などから募集した「データの分析・予測」や「機械学習モデル」などのアルゴリズムを期間内に提出し、最も高い精度のモデルを出した上位のチーム(個人)から順位付けされていきます。

また、コンペティション毎の順位に応じて、銅から金のメダルを獲得することができます。ウェブサイトからコンペティションの説明まで全て英語表記のため、英語が苦手な人にはややハードルは高いかもしれません。コンペティションに参加し競争するためには、プログラムを記述する能力やモデルを作成するための知識を要求されます。

自身が参加できるレベルにあるかわからない、と言う方という方は参加無料なので、一度登録しチュートリアルにトライしてみたらいかがでしょうか?また、時間に余裕のある方であれば、Qiita(キータ)などで非常にわかりやすい解説や体験談などもあるので、ぜひ参考にしつつ勝負してみると良いかもしれません。

世間評価はその実績により振り幅がありますが、コンペティションを通じて獲得したメダル数に応じて、Kaggleでは以下のように実績を評価するために称号を設けています。

(引用元 : http://www.currypurin.com/entry/2018/02/21/011316#f-68efaebb)

ただし、これは今回紹介した資格におしなべて言えることでもありますが、Kaggleはあくまで機械学習モデルの作製する能力を図るものであり、ビジネス課題を定義・発見し、解決する能力とは独立であることも留意しておくべきです。

SNS上では Kaggleに取り組んでいる人を「Kaggler」と呼ぶこともあります。

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