政治の変革”にはAIが必要不可欠?機械学習によるツイッター分析で社会課題を発見する

東京大学、電通、株式会社ホットリンクは、AIを用いたソーシャルメディア上のビッグデータの解析と、国会議員を対象とした調査に基づく共同研究を行いました。

AIを用いてツイッターデータからイノベーション課題を抽出した結果、特定のコミュニティが話題にしている課題よりも、つぶやき数が少なく全体に広く分布している社会的課題の方が国会議員の認識が十分ではなく、声が届きにくい事が明らかになりました。

参照https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000002235.html

AI×ツイッター分析による社会イノベーション課題の推定

本研究では、「解決することで、社会・経済・生活が大きく変化し、より良くなる課題」を「社会イノベーション課題」と定義し、より幅広い領域における社会課題を対象にAIによる分析を行いました。

その内容としては、Twitter上のつぶやき数千万件以上のデータをAIで解析し、社会課題を抽出するというもの。 

それをもとに国会議員を対象に、抽出された課題への認識、解決に必要な情報のニーズ、イノベーション政策を考える際に必要な情報源の調査も行なったとのことです。 

 

2つのAIから推定

開発したAIは「社会イノベーション課題推定AI」と「コミュニティ推定AI」の2つ。

まず、政府の成長戦略「未来投資戦略2017」から社会課題に関する関連キーワードを抽出し、「社会イノベーション課題推定AI」に、このキーワードが含まれたTwitterのビッグデータを機会学習させました。そしてTwitterから、社会課題と思われるツイートを探索し、18個の社会イノベーション課題を抽出させました。

さらに、「コミュニティ推定AI」を用いて、ツイートがどのようなコミュニティーでつぶやかれているのか、明らかにしていったとのこと。

 広く分散してて、つぶやき数が少ない社会課題は、国会議員から認識されにくい

 

「コミニュティ推定AI」によって18の課題を「①つぶやき数の多さ」「②つぶやきの特定のコミュニティへの集中度」に基づき、4つに分類し、それをもとに国会議員向け調査を行いました。

その結果、特定のコミュニティが話題にしている課題よりも、つぶやき数が少なく全体に広く分布している社会的課題の方が声が届きにくく、国会議員の認識が十分でない事が明らかになりました。さらに、つぶやきが全体に広く分布している潜在的な課題は、課題解決に必要とされる情報へのニーズも低いことが分かりました。

また、イノベーション政策を考える際に、データに基づくエビデンスを求めている一方、こうした必要な情報が不足していると回答した議員も8割を超える結果となりました。

今後、国会議員への情報提供の一つとして、ソーシャルメディアからAIを活用して、顕在化する前の社会イノベーション課題を抽出していく仕組みをつくることが、国民の声を国政に届きやすくするひとつの役割を担っていくのではないでしょうか。

AIを用いた社会イノベーション課題抽出の必要性

また、AIを用いた社会イノベーション課題の抽出の必要性を質問したところ、本調査に回答した国会議員の約9割が、「必要である」と回答したとのこと。本調査への回答を得た時点で、イノベーションに関心を持つ国会議員が多く含まれている可能性はあるものの、AIによる新しい仕組みづくりに関心を持つ一定の国会議員の存在が示されています。

社会課題に対する国会議員の認識度には、Twitter以外の情報源や社会課題の内容も影響しているため、Twitter上での分布とその因果関係についてはさらなる分析が必要だと思われます。しかし少なくとも、困っている人々が広く分散している社会課題に対して、国会議員が認識しにくい傾向が存在することは、今後の課題解決を図る上で注目すべきポイントです。

今回の調査結果から、Twitterなどのソーシャルメディア上から顕在化前の社会イノベーション課題を抽出し、国会議員などの政策関係者に届けていく新しい仕組みの必要性が示されました。さらに、抽出された社会課題を政策関係者に伝えていくための各企業などによる活動も重要と考えられます。