機械学習でコレラ菌にかかりやすい腸内細菌のパターンを検出

マサチューセッツ州のデューク大学、バングラデシュのダッカにある国際下痢症研究センターの研究者らは、人間の腸に住むバクテリアのコミュニティ内のパターンを発見するために機械学習アルゴリズムを使用しました。これらのアルゴリズムは、コレラ感染の危険にさらされている世界中の約10億人のうち、誰が下痢性疾患にかかりやすいのかを判別するのに役に立つとのことです。

コレラ菌とは?

コレラは代表的な経口感染症の1つで、コレラ菌(Vibrio cholerae O1およびO139のうちコレラ毒素産生性の菌)で汚染された水や食物を摂取することによって感染します。経口摂取後、胃の酸性環境で死滅しなかった菌が、小腸下部に達し定着・増殖し、感染局所で菌が産生したコレラ毒素が細胞内に侵入して重度の水様下痢を引き起こします。

未治療の場合、脱水症状を引き起こし、死亡する可能性もあります。コレラ菌は世界中で推定3〜500万人の人々に影響を及ぼし、年間死亡者は28,800〜13万人にも至るとのこと。

その世界的な影響にもかかわらず、現在の医学ではコレラ菌に接触する人々の中でも、なぜ病気になる人と、ならない人がいるのかを完全に解明できていません。

いくつかの研究では、年齢、血液型および以前の感染症などのいくつかの危険因子を正確に指摘してきましたが、これらは病原体への曝露後の臨床転帰の違いを部分的に説明するだけでした。

そこで研究チームは、バングラデシュにおけるコレラワクチン研究のリーダーであるFirdausi Qadri博士と協力して、腸内細菌叢と総称される腸内の何兆もの常在細菌が、コレラのリスクにも役割を果たしているかどうかを機械学習を使って調べたとのこと。

病気になった人とそうでない人を区別するパターン

研究者らは、コレラで入院した患者と同じ世帯に住んでいたため、この疾患を発症する危険が差し迫っているダッカの居住者から直腸スワブサンプルを採取したとのこと。

調査した76世帯の連絡先のうち、約3分の1が追跡調査期間中にコレラを発症し、約3分の2が感染していませんでした。

研究者らは、シークエンシング技術を用いて、直腸から微生物叢を分析し、すべてのデータをコンピューターにロードしました。

その後、各サンプル4000種類のバクテリア分類群からの結果をスキャンするように機械を訓練し、病気になった人とそうでない人を区別するパターンを探しました。最終的には、コレラ菌への感受性に関連した100種類の微生物を検出したとのことです。コレラに対する感受性は、桿菌Bacteroidetes由来の微生物の枯渇レベルと関連していたことが判明しました。

また、このモデルによって同定された細菌種を選んで、実験室で研究したところ、細菌が試験管内でコレラ菌の増殖を促進することを発見したとのこと。この発見は、腸内細菌叢の組成が、多かれ少なかれ病原体に適した環境を作り出すことを示しています。