超音波画像から疾患を予測。ResNet が専門医を超える!?
3つの要点
✔️ 腎臓の超音波画像診断による慢性腎疾患(CKD)を予測
✔️ 人の目では判定が困難な超音波診断画像から ResNet で疾患を推定
✔️ 腎臓専門医による分類精度よりも高い精度を実現!
Automation of the kidney function prediction and classification through ultrasound-based kidney imaging using deep learning
written by (Submitted on 26 April 2019)
Comments: Published by npj Digital Medicine 2
Subjects: Computer vision (cs.CV)
背景
ここでは、本研究で扱われている、「慢性腎臓疾患(Chronic kidney diseases, CKD)」について簡単に解説した後、研究のポイントについて述べていこうと思います。
慢性腎疾患(Chronic Kidney Disease) は、身体の臓器である、腎臓で腎障害を示す所見や腎機能低下が慢性的に続く状態のことを指します。腎臓は、体内の老廃物を尿として体の外へ排出するための「ろ過装置」のようなものです。腎機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、様々な臓器障害が生じます。こうした例の一部として、心筋梗塞、脳卒中が指摘されており、腎臓機の低下が心臓・脳といった臓器の疾患を引き起こす最大リスクという指摘もあります(心腎連関、脳腎連関)。
また、腎機能は一度低下してしまうと、基本的には改善することが難しいと言われています。こうした場合、透析・腎移植が必要となり、日常生活の制限が大幅に増加することになります。また、腎臓には感覚神経がないことから、状態が悪化した段階で判明することが多く、早期発見といかに行うかが重要な課題です。
本研究では、腎臓の超音波画像診断によって、慢性腎疾患(CKD)の病態を予測する深層学習モデルによって実現することを目的としています。腎臓の超音波画像から、CKD を判定する精度は60%程度と言われており、また観測者によって判定のばらつきが大きいことが知られており、専門家といえども、判定が困難であるということが指摘されています。こうした、人の目では判定困難な CKD のメタラベルを深層学習等を用いて、推定するモデルを構築することを提案しています。
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