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新しい畳み込み演算CDCによる堅牢なFace Anti-spoofing(なりすまし防止)モデル

新しい畳み込み演算CDCによる堅牢なFace Anti-spoofing(なりすまし防止)モデル

Face Recognition

 3つの要点
✔️ CDCと呼ばれる新しい畳み込み演算を導入してCDCNを提案、従来よりも不変で固有な特徴量を抽出、よりロバストなFace Anti-spoofing(FAS)モデルを構築
✔️ CDCNを拡張したCDCN++を構築、CDCの検索スペースでNAS(Network Architecture Search)によってFace Anti-spoofing向けのアーキテクチャを検索する初のアプローチ
✔️ CDCベースのモデルが未知のなりすまし手法に対してもSOTAを達成し、高いロバスト性を示した

Searching Central Difference Convolutional Networks for Face Anti-Spoofing
written by Zitong Yu, Chenxu Zhao, Zezheng Wang, Yunxiao Qin, Zhuo Su, Xiaobai Li, Feng Zhou, Guoying Zhao
(Submitted on 9 Mar 2020)

Comments: Accepted at CVPR2020
Subjects: Computer Vision and Pattern Recognition (cs.CV)
Paper  Code

概要

2020年には顔認証を使った入館ゲートや自動販売機などさまざまな実証実験が各所でスタートし、顔認証の導入が急速に進んでいます。2021年に延期予定のオリンピックでも30万人のスタッフ関係者の管理に顔認証が導入される予定です。生体認証による高いセキュリティやハンズフリー、非接触などさまざまなメリットが注目されています。

しかし、その一方でなりすまし(Presentation Attacks)も懸念されています。印刷された画像や動画を提示するだけで顔認証システムを騙せてしまう可能性があります。この他にも3Dマスクを使ったなりすましも報告されています。


Source: fig.1, 
3D Mask Face Anti-Spoofing, P C Yuen et al., Department of Computer Science, Hong Kong Baptist University

顔認証システムをより信頼して利用できるようにするためには、こうしたなりすまし行為を検出する技術(Presentation Attack Detection, PAD)が不可欠です。

これまでPADの分野では、ハンドクラフトの特徴量に基づく手法とディープラーニングの特徴量に基づく手法が提案されてきました。ハンドクラフトによる手法(ex. Local Binary Pattern、LBP)では、局所的な情報を特徴量として利用し、本物となりすましの不変な詳細情報(ex. 色の質感、モアレパターン、ノイズアーチファクト)を表現するロバストなものが多く、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)では、非線形活性化を伴う畳み込み演算の積み重ねによって、本物となりすましを区別するために高い表現能力を持つものが多く報告されています。

しかし、CNNベースの手法では、その分類能がゆえに、本物となりすましの間の詳細情報は表現しにくく、照明やカメラの違いなど外部環境に大きく影響を受けてしまう傾向にあります。

そこで、この論文では、CNNに局所情報を統合することで弱点を克服し、外部環境に強く、堅牢な特徴表現が可能なCentral Difference Convolution(CDC)という新しい畳み込み演算を提案しています。また、特別に設計されたCDCの探索スペースで、Neural Architecture Search(NAS)を利用して、Face Anti-spoofing向けの最適なネットワークを構築しています。

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インターネット広告企業(DSP、DMP etc)や機械学習スタートアップで、プロジェクトマネージャー/プロダクトマネージャー、リサーチャーとして働き、現在はIT企業で新規事業のプロダクトマネージャーをしています。データや機械学習を活用したサービス企画や、機械学習・数学関連のセミナー講師なども行っています。

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