気まぐれAIニュース4/29~5/10(最近話題になったAI/機械学習界隈のトレンドまとめ
今週も気まぐれAIニュースやってみました。
主に、編集部のMが独断で面白いと思ったAI界隈のニュースや、トレンドをさらっと紹介するというものです。
”Weekly(毎週)”だと正直やり切れる自信がないので、”気まぐれ”にしています。今回は、直近2週間くらいの間に話題になったニュースを扱っています。
データサイエンティストは創造的な仕事ではない?
10万ドル以上を 稼ぐ女性の実態を調査するというこのシリーズ。今回は、数学科出身の28歳の女性データサイエンティストについてとり挙げられています。I’m A Data Scientist Making $125K – & I Don’t Want To Do This For The Rest Of My Career
「今世紀最もセクシーな職業」と言われているデータサイエンティストですが、この女性は仕事に情熱は感じていないといいます。
「仕事は得意領域ではありますが、興奮させるものではありません。$ 125,000を稼いできたけど、そこまで、創造的な仕事だとは思わす、残りのキャリアのためにこれをしたくありません。」とまで言い切ってます。
実際にはインフラの整備や運用、データの前処理、可視化ツールを作ったりするような地味で泥臭い作業の方が大半を占めてたりするわけです。
TJOさんのいうとおり、データサイエンティスト の仕事に創造性を持ち込もうとしたら、技術的な側面ではなく、どうビジネスに展開していくか、どことどこを組み合わせるかなど、ドメイン知識的な側面において余地がある気がします。
Google I/O 2019が開催
Googleが5月8日に、サンフランシスコで、開発者向けイベント「Google I/O 2019」を開催しました。2時間にわたる基調講演で、Googleは新しいスマートフォンから次世代型の音声アシスタントなど、この1年間で開発してきたものを大量に発表しています。Google I/O 2019基調講演で語られた全内容のまとめ
発表されたAI機能にはアクセシビリティを補完するものも多く、すべての機能をすべての人にアクセス可能にするというビジョンを打ち出しています。
例えば、音声認識関連では、間もなくスマートフォンで再生したメディアにその場で字幕を入れる機能が追加されるそう。保存したポッドキャストや録画した動画にも字幕が付けられるといいます。
今後、スマホなどのUXデザインやる人にとってMLで何ができるかを考えるのは必須項目になりそうです。
Live Relay(ライブ中継)とGoogleが名付けた機能を使えば、電話での会話をリアルタイムで筆記させたり、文字で応答したりできるようになります。下の動画は、Live Relayで実際に会話している様子です。
以下のlive captionは映像でも目の前の音声でも端末で処理できる字幕変換技術です。
深セン発のAIユニコーンIntellivision
街中の監視カメラでナンバープレート&顔認識で交通ルール違反者を認識するというもの。
すでに設置後の最初の10ヶ月間で、13,930人もの娯楽犯罪者が命名されたというから驚きです。これを人間でやるのはどう考えても非効率的でしょう。また、Tencentのような国のテクノロジー大手や通信ネットワーク事業者と協力して、WeChatのようなスマートフォンアプリを通じて違反を通知されるシステムを導入する計画だそう。Shenzhen AI start-up Intellifusion helps city police identify jaywalkers and banned drivers
中国人に日本の不動産を物件も見ず買わせる「お化けアプリ神居秒算」
ARカメラで建物をかざすと建物の不動産情報でてくるアプリ。さらに買いたいと思ったらすぐに赤のボタンでオペレーターに電話できるという優れものです。
実際に中国人が日本の不動産を買うときに使うらしく、このアプリを通して成約した契約は、10月分だけで約1億元(約16億円)にまで達したそう。2017年創業され、2018/11には売上20億円だとか。
現在、30社ぐらいの不動産販売・仲介会社と契約、「神居秒算」アプリを通して言葉が通じない中国人顧客に日本の不動産を販売しています。
不動産の成約率は「千三(せんみつ)」といわれ、1000件の物件情報に対して成約件数が3件、つまり成約率は0.3%でしかないのに対して、「神居秒算」の成約率は約10%と、驚異的な数字をたたき出しているのが凄いです。ちょっと前のニュースですが、最近知ったので紹介してみました。中国人に日本の不動産を物件も見ず買わせる「お化けアプリ」の正体
日本人の「テクノロジーへの信頼度」主要国で最下位、1位中国
ベルリンで今年9月に開催される国際見本市 IFA 2019。そのプレイベントとなるGPC 2019がスペインで開催されました。米国の調査会社エデルマンが、『テクノロジーへの信頼度』で日本が主要国で最下位となる調査結果を公開しています。
エデルマンは昨年10月から11月にかけて、27か国の約3万3000人を対象に、1人あたり30分のオンライン調査を実施。その結果によると「テクノロジーを信頼する人」の割合は日本が66%で、ロシアと並んで最下位。一方1位は中国で91%に達したそう。テクノロジーを信頼する人の割合は新興国で高く、先進国では低い傾向が示されました。
以前中国に住んでいたことがあるのですが、中国人の友人が「中国人は適当だから、テクノロジーに頼らざる得ない」って笑いながら話してたのを思い出しました。社会に対するテクノロジーの浸透スピードが早い背景として、中国人が「人間をあまり信用してない」という側面があるような気がします。日本は逆に人間を過信しすぎる傾向にあるというか、良くも悪くも勤勉すぎた結果、属人的になってしまってるのではないでしょうか。
大企業の技術系インターンシップに参加した
ツイッターで見かけて、面白かった記事。ぶんつさんが、大企業のインターンシップに参加した感想を投稿しています。
インターン先が日本を代表するような大企業ということで,、技術力が高く能力の高い人材が集まっているんだろうなという漠然としたイメージを持っていました。あとは, 例えばプロジェクトXみたいな熱い仕事を行っているのかなというイメージもありました。実際にインターンに参加してみると, 前まで抱いていたようなイメージがガラガラと音をたてて崩れていきました。
以下ブログからの抜粋です。
・衝撃を受けたのが職場の貧弱な環境です。与えられたコンピュータは メモリが4GBで32bitなWindows がインストールされており、インターネットにはつながっていませんでした。
・主な連絡手段はメールどころか電話で、Slackのようなコミュニケーションツールは導入する気配が一切ありませんでした。。そして出社・退社するたびにホワイトボードのマーカを付け替えるという前近代的なことを未だに行っていることに驚きました。
・次に驚いたことは、関わった社員さんのほとんどが技術に興味がなさそうだったことです。プログラムを外注しているせいか、プログラミングに興味ある人には出会えませんでした。今の職場環境をそこまで不満に思っていなさそうだったことにも驚きました。
・人事関係の方が会社の業務説明をしてくださったのですが、この会社がICTを活用したソリューションに力を入れているという内容の 素晴らしいプレゼン をされていました。プレゼン自体はすごいなぁみたいな感想を抱いたのですが、 実態は10年くらい遅れた社内環境で業務をこなしているわけで、そのギャップにすごい違和感を感じました。
・エンジニアとしてのキャリアパスは存在するものの、管理職にならないと昇給しない制度も見ていて非常に残念でした。社員の方は、エンジニアとしてのキャリアパスが存在していることを強調されていましたが、管理職にならないと昇給しない制度のもとでは全く魅力的に思えませんでした。
・ 業務時間の多くをPowerPointでの プレゼン作成 にかけていることは、予想通りでもありつつ残念でもありました。プログラムを外注するための要件定義やフローチャート作成を行う様子を見ていると、その時間で自分で実装したほうが速いんじゃないかと素人ながら思えてしまいました。
ICLR2019が開催
一年一度のAI分野の進歩に貢献する大規模カンファレンスである ICLRが5月6日から9日まで、ニューオーリンズで開催されました。今年は3000以上の参加者ということで、昨年の2000人からさらに増えてます。統計によると、ICLR 2019は合計1,591件の論文の提出を受け、去年と比較して60%増加したそう。
ICLRは幅広い分野を視野に入れており、特徴学習、計量学習、合成モデリング、構造化予測、強化学習、大規模学習や非凸最適化に関する問題などのトピックが含まれています。
AI-SVHOLARでも、最優秀論文賞を受賞した論文の一つを紹介しています。ツリー構造のリカレントニューラルネットワークへの統合
AI開発は誰でもできる」…電機大手を難局に陥れるオープン化の波
こちらもかなり話題になった記事です。
技術がオープンな時代なので、みな同じ提案になる」とV―net AAEONの伊勢友美執行役員は苦笑いする。同社は組み込み機器の電子基板を販売するいわゆる“基板屋”だが、展示会ではAIによる人物認識や車両認識などを披露する。「基板だけを紹介していても売れない。何ができるかAIのアプリを見せないと」と狙いを説明する。
Ridge―iの柳原尚史社長は「19年は間違いなく淘汰(とうた)が始まる。じゃぶじゃぶな予算で成立してきた会社は倒れる」と予想する。経営者が東京大学のAI研究室出身であることをウリにした学生ベンチャーもある。そしてベンチャーも後発組も素人目には同じような技術を掲げている。柳原社長は「実績で評価するしかない。コンサルや開発を経て相手の製品に組み込まれ、ライセンス収入を採れているかが一つの指標になる」という
競争のファクターはアルゴリズムやハードではなく、細かなノウハウの積み重ねやドメイン知識になってきているという話です。しかし、せっかく溜まったドメイン知識を無視して遠回りなネットワーク組んでる残念事例も多々見かけます。また、本質的には自社で本当の先端AI技術を開発している会社は少なく、オープンソースの組み合わせを試してるだけだったりします。
自動走行スーツケース
ツイッターで流れてきて気になったのはこちら。世界初のロボットがアシスタントしてくれるスーツケースだそう。障害物を避けながら、自動的に荷物を運んでくれます。 10万くらいで買えるみたいです。
車の自動運転なんかだと、ぶつかったら終わりですが、スーツケースがぶつかって人が死ぬことはまず無さそうなので、技術的にも、倫理的もハードルが低そうです。簡単そうなのにあまりやってるところはないみたいです。
Travelmate Robotics
END終わり⊹
読んでいただきありがとうございました。
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