気まぐれAIニュース6/10〜6/18(最近話題になったAI/機械学習界隈のトレンドまとめ)
この記事は、編集部のMが独断で面白いと思ったAI界隈のニュースや、トレンドをさらっと紹介するというものです。
”Weekly(毎週)”だと正直やり切れる自信がないので、”気まぐれ”にしています。今回は、直近1週間くらいの間に話題になったニュースを扱っています。海外のニュース多めです。
顔を見ただけで、その人の財政リスクがわかる?
中国の保険会社が顔認識から財政リスクを推測しているというニュースです。
中国では、すでに顔認証技術が日常生活の一部となっていますが、中国有数の複合金融企業である中国平安保険では、金融商品を販売する際、見込み客のリスク評価の一環として顔認証技術を使用しているそうです。
分析要素の1つは、「微表情」と呼ばれる瞬時のごくわずかな、ほぼ無意識の顔の動きだそうで、こういった僅かな顔の特徴から、体格指数(BMI)を測定しているとか。どうやら、顔自体だけでも、個人の健康について豊富な情報が得られるらしく、顔から喫煙者かどうかを判断することも可能だといいます。
日本以外のアジアで拡大するAIタレントプール
カナダのスタートアップであるElement AIがAI分野の人材に関する年次レポートを発表しています。
同レポートによれば、世界中に2万2400人いるAI分野のトップ人材のうち、米国が10,295人と半数近くを占め、次いで中国2,525人、イギリス1,475人、ドイツ935人、カナダ815人などとなっています。
日本は世界第三位の経済大国であるにもかかわらず、第六位の805人、全体の3.6%に過ぎないという結果だったとか。一方、海外で学んだAI人材の割合や女性の割合といった多様性の点では最下位でした。
Asia’s AI talent pool broadens, except in Japan
ハリウッドにもAIが進出
AIを使って映画の興行成績をシュミレーションできるソフトウェアを販売しているロサンゼルスに拠点を置く新興企業CinelyticがTHE VERGEで紹介されています。
何年にもわたる映画のパフォーマンスに関する歴史的データと、映画のテーマや重要人物に関する情報を相互参照し、機械学習を使ってデータの中の隠されたパターンを見つけ出してくれるそう。同社のソフトウェアを使えば、映画でファンタジーフットボールをプレイしたり、キャストを入力したり、俳優を交代させたりして、それが映画の興行にどう影響するかを確認できます。
AIを映画に応用しようとしているのはCinelyticだけではありません。例えば2015年に設立されたベルギーのScriptBookは、スクリプトを分析するだけで映画の成功を予測するアルゴリズムを開発しています。イスラエルのスタートアップVaultでは、予告編がオンラインでどのように受け取られたかを追跡することで、どの人口統計がどの映画を見るかを予測します。
しかし例えば商業映画を作るにしても、「売れるのはこういったもの」という感じで、マーケットに寄せすぎた結果すごく限定的になってきています。これは映画だけの問題ではなく、本や音楽、ありとあらゆるものに言えることだと思います。
スマホが視覚障害者の目に、バルセロナに広まる新しい点字
街中に貼られたカラーコードへ向けてスマホのカメラを一振りするだけで、周囲の情報を音声で知らせてくれるステッカーがバルセロナの街に広まっているというニュースです。
スマートフォンのカメラと無料のアプリを使って、視覚障害者はコードをスキャンし、その中に保存されている情報を聞くことができます。さらにピントを合わせる必要がないなど、QRコードよりも使い勝手に優れているとか。
ステッカーはバルセロナの交通システム全体に広がっており、市内のバス、電車、路面電車、エスカレーター、チケットブース、インターホン、通路の近くになどに貼られているそう。公共交通機関の時刻表から、避けるべき障害物、周囲の環境の物理的特徴まで分かり、さらに、食品の箱にラベルをつけたりなど好きなように使えるみたいです。
ホログラムごしのリモート会議実現?
MagicLeapが最近買収したMimesys(マイムシス)という会社がすごいと話題になりました。
Magic Leap Oneには、同ヘッドセットで動作するコミュニケーションアプリ「Avatar Chat」が存在していますが、このアプリは簡略化された3Dアバターを使用して会話を行うというものでした。主にカジュアルな用途を想定しており、ビジネス上の会議などでは使用に適さないケースがあります。
一方、Mimesys社のコミュニケーションアプリは、実際の人物をそのままARで表示するシステムとなっています。
Magic Leap buys Belgian startup building hologram teleconferencing software
AIが大麻を栽培するシステム
ついにイスラエル発で大麻やハーブを生産できる温室システムが開発されました。
イスラエルに拠点を置くSeedo社は、誰でも簡単に家庭栽培できる自動栽培キットを販売しており、植物の水やり、温度管理、栄養管理、光度調節からウィルスやバクテリアの除去まで、すべてAIで管理されています。完全無農薬による家庭栽培が可能で、ユーザーはスマホアプリで簡単に操作ができるとか。
今回は、さらに進化し完全自動の医療用大麻栽培デバイスを開発しています。※イスラエルではもともと医療用大麻が合法なだけじゃなく、2019年に入って国外への輸出も合法化されています。
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Israel is banking on cannabis as its next big industry
顔認識でポルノ出演女性を特定、残念なプログラマーのひと騒動
ドイツに本拠を置く中国人のプログラマーが、世界中の10万人のポルノ女優を識別し、ポルノビデオの中で顔とソーシャルメディアのプロフィール写真を相互参照するシステムを開発し、非難を浴びました。
EU 一般データ保護規則(GDPR)では、個人データ(特に機密性の高い指紋、声紋などのバイオメトリック・データ)の収集は、特定された合法的な目的に基づく必要があり、ポルノへの出演経験の有無を判断するためにデータを収集することは違法にあたります。危険な悪用を防ぐためにも、プライバシー保護の世界的な取り組みが必要です。
Uberドローンでマクドナルドのハンバーガーを配達するテストを実施
Uberがドローンの運用を今夏に開始する予定であることを発表しています。
最大半マイル先までマクドナルドの食事を配達することを計画しているそうです。Uberの計画では、この宅配は直接ユーザーの家まで運ぶのではなく、ドローンで指定された安全な着陸場所まで配達したあと、Uber Eatsの配達人が荷物を回収してユーザーに届ける形になるとのこと。なお、着陸場所の1つとして、駐車しているUber車両の屋根も想定いるそうです。
FaceBook AI非常にリアルな3D屋内シーンの新しいデータセットを発表
Facebook AI が、オフィスやリビングなど写実的な3D環境でエージェントを高速で訓練できる3Dデータセット「Replica」を発表しました。
トレーニングでは、探索と練習を通じて、AIエージェントに実世界の物体について学ばせなければなりませんが、成果を実世界に移転するには、使用するバーチャル空間が本物そっくりでなければなりません。
Replicaは鏡の反射も再現する高性能なデータセットで、18種類の空間を収録しており、オープンソースとして公開されています。鏡やガラスまで含めてかなりリアルに再現されています。
END終わり⊹
読んでいただきありがとうございました。
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