最新AI論文をキャッチアップ

もしAIをガチるなら・・・

もしAIをガチるなら・・・

「AIを学ぶ」と言っても、その目的は様々です。AIの知識をキャッチアップしてエンジニアと対等に話したい、AIを使った斬新なビジネス提案ができるようになりたい、自分でゴリゴリと機械学習のアルゴリズム書いていきたい、などなど。今回は、本コンテンツの主題とはあえて少しずらして、ガチな「AIエンジニア・データサイエンティスト」になるためにはどんな勉強をすれば良いのかを筆者の主観を元に、簡単に紹介していきます。

 

1.数学

「数学」です。そう、何と言っても数学です。数学って何?ととぼけたくなる気持ちもわかりますが、AIを形作る「機械学習・データ分析」は全て数字の取り扱いから成り立っており、それらをどのようにして読み解き、活用させて行くかは全て数学をベースに考えられています。

人工知能と聞いて、人間の脳を機械でそのまま再現していると思っている人がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。AIの技術では、データの傾向から最も正しく予測できるような方法を数学的に厳密に計算しています。その予測性能の高さから恰も人間が考えるような精度が出ているというのが現実です。

つまり人工知能というのは、人間が考えているように見えるように作られた機械です。

そのためAIの思考法を知るということは、その数学的な仕組みを知ることに他なりません

もちろん、数学だけができれば、それだけでAIエンジニアやデータサイエンティストとして活躍できるかと言われると一概にそうとは言えません。それに、数学ができれば年収が上がるのかと言われるとそれは疑問です。

しかしAIエンジニア・データサイエンティストにとって、数学は ”基礎体力” です。今後様々な形で論文を読めたり、数式をベースにモデルの改善案を見つけられるハイレベルなAIエンジニアの需要はますます増えていくでしょう。(既にもうかなり高いとも言えますが・・・)

また、データ分析に携わる業務も、データから特徴や傾向を出すのはAIに任せ、それらをどのようなモデルとして扱うのか、と言った面で数学的素養や理解力が必要となってくるでしょう。さて、ではどのような勉強をすればよいでしょうか?

まず、”ちゃんと”したAIエンジニアやデータサイエンティストになろうとすれば、高校までの数学を前提とした大学1〜2年次程度の教養数学(と言っても、簡単ではありません。)は必須と言えるでしょう。

具体的には、微積分・線形代数・基礎統計学、加えて集合位相・ベイズ理論などが該当するでしょう。中でも、一流レベルのAIエンジニアリングやデータ分析においては統計学の知識が必須であり、それらをしっかりと理解するためにその周辺知識として、微積分・線形代数・集合位相などがあると言ったイメージです。

数学力は一見評価されづらく、また勉強すればするほどその道のりは遠く険しいため、一見非効率に感じるかもしれません。しかしながら、AIのビジネス実用化が可能になった今だからこそ、今後はこれで仕事をしていきたい ! と思うのであれば、ぜひ今からコツコツと勉強してみてはいかがでしょうか。また、簡単ではないことを強調しましたが、学問体系としての教養数学は非常に洗練されており、奥が深く面白いものだと(人によっては)思います。

しっかりとしたAIエンジニアやデータサイエンティストであればあるほどその数学の重要性を理解しているものです。

 

2. プログラミング

さてAIの思考を司るのが数学だとわかったところで、その数学に基づく計算を実施することになります。この時紙とペンを使った計算をしてしまったらどうなるでしょうか。何千何万とあるデータ1つ1つに計算を繰り返しているようでは日が暮れてしまします。日が暮れるどころか人生が終わってしまいます。そこで登場するのがプログラミングです。

数学力は、各分析手法やAIの理論体系を学ぶには非常に重要であり、その理解度を深めていくことに役立ちます。しかしそれを形にするのはプログラミングです。大量のデータを正確に取り扱うのも、同じような計算を何万回も繰り返すのはコンピュータの方が得意に決まっています。簡単なものであれば Excel などでも十分かもしれませんが、高度になればなるほどプログラミングは必須になります。

また、よほど適性がない場合を除き、最低限のAI・データ分析は現代のプログラミング言語では非常に扱いやすくなっています。なので、時間対効果は高いと言う人が多いでしょう。

例えば、現在では「Python」や「R」と言ったプログラミング言語がデータ関連の業務に使われていることが多く、それらに基づいて機械学習の製作を勉強するための書籍も多く出版されています。今回紹介する 1. ~ 3.の知識は優先順位は人それぞれですが、実は “1人で始められて” , “そのハードルが低い” のは、このプログラミングかもしれません。

また、現在はAIをできる限り便利に作るため、ライブラリ(必要なプログラムを、あらかじめ組んで誰でも使えるように公開されているもの)を様々搭載した、「Anaconda」や「Tensor flow」と言ったアプリケーションも出ています。

AIに限らず、今後のテクノロジーの進歩に追いつくためにも、試しに「Python」の学習などに一からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

3. AIの適用先業界の知識

本コンテンツを読んでいただいている方は、むしろこちらの分野に知識が深い方多いのではないでしょうか?

意外と、エンジニアの方には、1.数学力、2.プログラミング力 が備わっていても、ビジネス面への活用やキャッチアップがうまいくいかない・難しいと言った話を聞きます。また、どうしても現場にいる人しかわからない感覚というものもあると思います。しかしながら、例えばAIを用いたデータ分析であれば、いかに高精度な分析ができたとしても、それが ”売り上げの向上” や ”業務効率化” などと言った具体的な改善や結果に結びつかなくては、意味があるとは言いえません。

ビジネス知識 (ドメイン知識) は ”なんのためにAIを導入するのか” や ”なぜそのAIが必要なのか” , ”どう言った仮説とアプローチが考えられるのか” と言った業務における本質的な課題を解決することに繋がります。職種としては、エンジニアによって作られたAIを適切な業界に流出させていったり、どのようなAIが必要かを適切にヒアリングし戦略立案を行う “AIディレクター” や “ITコンサルタント” と言った方々に最適なスキルと言えます。

具体的には、マーケティング知識、財務諸表の読み方など、携わる職種によって多種多様で一概には言えません。また、知識だけでなく、現場における課題点発見の仮説思考力・提案力、数値的結果を解釈して人に伝えるコミュニケーション力などのビジネス能力も必要になってきます。(どちらかと言えば、これらが非常に重要かもしれません。)

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、これら知識を踏まえることでより貢献度が高く、より役に立つAI活用を行うことができるでしょう。

 

まとめ

今回は、少し視点を変えて ”AIエンジニア・データサイエンティスト” に必要な知識体系を3つの観点からみてきました。

しかしながら、数学・プログラミング・ビジネスを全て完璧にマスターしている人はそう簡単には見つかりません。また、AIビジネスやデータ分析業務において活かせる知識やバックグラウンドは多岐に渡ります。まずは自分のできることから着手していくのが良いでしょう。

数学やプログラミングの知識はないけど、AIの基礎概念を試しに学んでみたい!と言う方は、ぜひ本コンテンツを最後までしっかりと読んでみてください。

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