真なる「知能」の獲得への一歩。自己に適した手段・方法を選択し、学習を行うAI
現在、AI(人工知能)という言葉は世界中で注目を集める単語となっています。そして、AIという単語は基本的にディープラーニングに関する技術を指すことが一般的となっています。
今や世間一般ではAIという言葉は人間と同様のタスクを解決出来ると期待されるような言葉となっており、その高すぎる期待から現在の第三次AIブームが終焉を迎えてしまうのではないかとの危惧の声がディープラーニング研究者から上がっています。
ですが、本当にその高すぎる期待に応えることはできないのでしょうか?
今回紹介する論文は世間一般の方々だけでなく、ディープラーニング研究者にも人間と同様のタスクを解決できる汎用人工知能(=Artificial General Intelligence(AGI))の可能性、夢を与えるものとなっています。
それでは見ていきましょう。
概要
本論文のテーマはLife-long Learning(生涯学習)となっています。生涯学習とは「人々が自己の充実・啓発や生活の向上のために、自発的意思に基づいて行うことを基本とし、必要に応じて自己に適した手段・方法を自ら選んで、生涯を通じて行う学習」と定義されています。
生涯学習が本論文にどのように絡んでいくかというと、学習用データセットA(例:室内の画像)をまず学び、学習用データセットB(例:屋外での画像)を学ぶことで共通の特徴(例:現実世界構造)や学習用データセットAやB特有の特徴(例:室内での物体配置)を獲得することが可能するために「自己に適した手段・方法を自ら選んで、生涯(学習終了まで)を通して行う学習」を行うという点で絡んできます。
タイトルでは挑発的に「AI」という単語を採用しましたが、本質的な内容は「Variational Auto Encoders(VAE)(=変分自己符号化器)」と「ディスエンタングルメント」です。この「VAE」と「ディスエンタングルメント」さえ知っていればこの論文の意図を理解することは容易ですので、まずはこの2つの技術を追っていきましょう。
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