FakeとRealのデータ分布に基づく非対称な学習フレームワーク「Single-Side Domain Generalization」で一般化性能の向上に成功!
3つの要点
✔️ 偽物の顔画像(Fake)が本物の顔画像(Real)よりも分布のばらつきが大きいという特徴に基づき、非対称な新しいエンドツーエンドのSingle-Side Domain Generalization(SSDG)フレームワークを提案
✔️ Single-Side Adversarial LearningとAsymmetric Triplet Lossを設計して、RealとFakeに適した異なる最適化を実現し、なりすまし検知の一般化性能を向上
✔️ 代表的なデータセットでSOTAの性能を達成
Single-Side Domain Generalization for Face Anti-Spoofing
written by Yunpei Jia, Jie Zhang, Shiguang Shan, Xilin Chen
(Submitted on 29 Apr 2020)
Comments: AAccepted by CVPR2020 (oral)
Subjects: Computer Vision and Pattern Recognition (cs.CV)
概要
近年、顔認識技術は、スマートフォンのログインやアクセス制御など、日常生活で広く利用されています。一方で、様々な顔のなりすまし手法(Print、Replay、3D Maskなど)が報告されており、大きなセキュリティリスクに晒されています。
この問題に取り組むために、さまざまな顔のなりすまし検知の手法が研究されています。既存の最先端の手法のほとんどは、Intra-datasetでは高い性能を達成していますが、学習用のデータセット(ソースドメイン)とテスト用のデータセット(ターゲットドメイン)が異なるCross-datasetでは、まだ課題が残っています。
これは、従来の方法では異なるドメイン間の分布関係が考慮されていないため、特定のデータセットに偏った特徴が学習されてしまい、未知のドメインに対する一般化性能が不十分になるためです。
この問題に対処するために、最近の顔のなりすまし検知では、ラベルのないターゲットデータを利用することにより、ソースドメインとターゲットドメイン間の分布の不一致を最小限に抑えるドメイン適応を導入しています。しかし、多くの実際のシナリオでは、トレーニング用にラベルのないターゲットデータを大量に収集することは困難で費用がかかり、ターゲットドメインに関する情報さえも利用できません。
そのため、一部の研究では、複数の既存のソースドメインを利用してモデルを学習することを目的としたDomain Generalization(DG)を適用して、顔のなりすまし防止の一般化性能向上に取り組み始めています。
従来のDGでは、複数のソースドメイン間の分布を調整することにより、一般化された特徴空間を学習することを目的としています。そして、モデルが新しいドメインにうまく一般化できるように、未知の顔画像から抽出された特徴を共有特徴空間の近くにマッピングできると想定しています。
ソースドメインとターゲットドメインのいずれも本物の顔画像の分布の違いは小さく、コンパクトな特徴空間を比較的簡単に学習することができます。一方で、なりすましの種類とデータ収集方法は多様であるため、異なるドメインの偽物の顔画像の特徴をコンパクトにまとめることは難しくなります。
したがって、偽物の顔画像に対して、一般化された特徴空間を探すことは難しく、ターゲットドメインの分類精度にも影響を与える可能性があります。
このため、下図の左側(Conventional DG)のように、本物と偽物の両方でコンパクトな特徴空間を実現しても、新しいターゲットドメインのClassifierの学習が難しくなります。
このような背景から、この論文では、上図の右側(Ours DG)に示すように、本物の顔画像と偽物の顔画像をできるだけ区別できるように制約を加えた上で、異なるドメインの偽物の顔画像の特徴空間を分散させながら、すべての本物の顔画像の特徴をコンパクトに集約させる方法を提案しています。これにより、より高い一般化性能を持つクラス境界(Classifier)を学習できるようになります。
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