ビールの旨さを、AIで認識する時代へ!?
仕事終わりのビール!みんなとBBQをしているときのビール!たまらないですよね。そんな、私たちの生活の様々なシーンで登場するビールですが、注がれたときのビジュアルが悪いと、なんか盛り上がらないな……となってしまう。
今回のAI-SCHOLAR編集部では、ビールを楽しむうえで非常に重要なビジュアルを「何となく」で終わらさず、さまざまな知覚判定デバイスを用いて、AIで定量的に完璧な比率を導き出すことを目的とした論文を紹介します。
今回の論文は、2018年に”FOOD CONTROL”という食品系の論文雑誌に掲載されたものです。消費者が味、品質を視覚的に評価する第一印象において、ビールの泡は非常に重要なものとされています。しかし今までの評価方法だと、消費者の声による定性的な判断でしか泡とビールの比率に対する評価ができませんでした。
本論文では、従来のような定性的なデータだけでなく、消費者がビールを見たときの反応を分析するために、体温や、心拍数などの身体的なデータを出しました。さらにビールの色、泡の量と質を分析する”RoboBEER”というツールを用いて、ビール自体の詳細なデータを導きました。
これらのデータをAIに組み込むことによって、上面発酵(ラガービール)、下面発酵(エールビール)、自然発酵のビールごとに、注がれたときのビジュアルによる消費者の反応に違いがあることが分かりました。これらの結果をもとに、さらに深く実験していけば、ビール業界は現在、どのようなビールが求められているかを定性的かつ定量的に判断することができるようにできるようになるでしょう。
今回の実験結果から著者はさらに、炭酸飲料の炭酸の量をどれくらいにしたらよいかも分かるだろうという結論も出していました。最近のInstagramもそうですが、視覚的な情報がもたらす作用は、すごいものがあるなと、この論文を読んで感じました。
あー、ビール飲みたい。
ClaudiaGonzalez Viejo et al.(2018).Robotics and computer vision techniques combined with non-invasive consumer biometrics to assess quality traits from beer foamability using machine learning: A potential for artificial intelligence applications.Food Control.
ライター:株式会社wevnal ChatbotAI事業部 木村駿
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