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コニカミノルタがAI社会実装ファーストステップを学生に伝授

コニカミノルタがAI社会実装ファーストステップを学生に伝授

インタビュー

AIの社会実装は現在多くの国で行われています。その中で社会にAIを実装していくためにはそのためのノウハウがあります。今後、日本がAI大国になるためにもAI人材の育成は必ず必要になります。そんな人材育成の一環として実施している高専生を対象としたコンテストDCONをご存知でしょうか?

DCONは、高等専門学校生(以下、高専生)が日頃培った「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、その作品によって生み出される「事業性」を事業評価額で競うコンテストです。

ディープラーニングによる課題解決策を事業案として提出いただく一次審査、プロトタイプを制作し技術面での実現性を審査する二次審査を経て、本選出場チームが決定されます。本選出場チームは、高専出身者を含む事業経験豊富な起業家有志が各1名ずつメンターとして参画し、 開発した作品の「事業性」を磨き、本選審査員のベンチャーキャピタリスト陣から事業評価額を勝ち取るためのプレゼンテーションに臨んでいただきます。なお最優秀賞に選ばれたチームには、起業資金100万円と、日本ディープラーニング協会若手奨励賞が授与されます。

(DCONホームページより引用)

8月に実施されるDCON2020本選に予選を勝ち上がってきた国立東京工業高等専門学校(以下:東京高専)が出場します。DCONでは単純なものづくり技術だけではなく、事業価値を競い合うための「事業性」が重要です。しかし、この事業性を学ぶのは難しいです。なぜなら、事業性を学ぶ機会がなかなかないからです。しかし今回はなんと実際にAI×社会=AI事業を打ち出しているコニカミノルタ株式会社が東京高専の学生たちに事業の創出についてオンライン講義を行いました!企業で研究開発したことが、どのような形で社会実装されていくかを実際の研究開発者の実体験を通じて話されました。 今回はそのオンライン講義に潜入し、どんなことがAIを実装していくために必要なのか。また、講義を通して感じたことを皆様にも共有できればと思います。

今回の講演者は

  • 五寳 (ごほう)
    IoTサービスPF開発統括部 戦略推進部 課長
    画像IoT/AI人財戦略及びプロモーション戦略の全体統括
  • 大西
    IoTサービスPF開発統括部 戦略推進部 係長
    画像IoT/AI人財戦略策定及び計画立案・遂行
  • 工藤
    IoTサービスPF開発統括部 戦略推進部 係長
    画像IoT/AI人財の教育プログラム計画立案・遂行
  • 西上
    IoTサービスPF開発統括部 戦略推進部 係長
    画像IoT/AIプロモーション戦略策定及び計画立案・遂行
  • 大山
    人事部(陸上競技部) 兼 IoTサービスPF開発統括部 戦略推進部
    現役陸上競技選手(長距離) 兼 画像IoT/AIプロモーション担当

コニカミノルタの紹介

これを読んでいるほとんどの人はコニカミノルタを知っていると思いますが、まずは簡単にコニカミノルタについてご紹介させてください。

2003年にコニカとミノルタが合併してできた会社になります。従業員43,961名を抱え、150ヵ国にサービスを展開し、複写機・プリンターなどオフィス機器や液晶用フィルムなど電子材料の製造を手がける企業になります。コニカミノルタといえば、プリンターやプラネタリウム、またはマラソンと多くの人に認知された企業になります。

コニカミノルタHP

コニカミノルタ流のデジタルイノベーション創出プロセス(KM-WAY)について

コニカミノルタではイノベーション創出プロセスであるKM-WAYが掲げられています。

新しいビジネスを創出するときに考えることは

参入する市場は?
本当のターゲット・顧客は誰?
顧客が抱えている真の課題は何?
他社と比べて何が有利なのか?
どうやって利益を出すのか?......

「どうやって利益を出すのか?」についてかなり本格的に講義がされていました。学生では考えることが少ない目線ですね。確かに、利益を出さなければ事業は潰れるだけです。そこも重要な要因ですね。実際はこれらが複雑に絡み合っています。

継続的なイノベーションを創出

そのためのKM-WAYです!!
そのKM-WAYを構造化すると以下の3要素になります。

分析手法を用いて、社会課題を見つけていき、その課題を解決する技術をできた時が技術の進化と言えますね。社会課題があればその解決がどれほどの顧客に価値(貢献)が出せるのかがわかります。また、技術を進化させることでそれが他社との差別化に進みます。それらを最終的にビジネスモデルに落とし込むといった3段階を踏んでいます。

※PEST分析とは、主に経営戦略や海外戦略等の策定、マーケティングを行う際に使用し、自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、現在または将来にどのような影響を与えるか、把握・予測するためのもの手法です。Politics(政治)、E= Economy(経済)、S=Society(社会)、T=Technology(技術)という4つの視点から分析することから、それぞれの頭文字をとり「PEST」と言います。

(ビジネス+ITより引用)

ここからは実際にKM-WAYに沿って説明していきたいと思います。

コニカミノルタは社会課題として多くの人が抱えている、みたいを社会課題としています。医療業界でいえば病気がみたい、カメラで綺麗にみたい

確かにコニカミノルタの技術の多くはそういった社会課題に対して考えられていますね。

例えばこれにKM-WAYの3構造が見えますね。事業を創出するためのプロセスをしっかり回しているからここまでの事業を展開できているのですね。

今回はその中でもIoTとAIを活用した事業の1つRunalytic(ラナリティック)をご紹介いたします。

Runalyticはランニングフォーム改善支援サービスです。

このサービスは他社以上にコニカミノルタがマラソンに強いという観点で強いですよね。

それだけではありません。フォーム改善支援ということは高速で走っている人の認識を行わなければなりませんが、コニカミノルタが保有する差別化技術として高速かつ高精度な姿勢認識技術を持っていました!ここにAI技術が用いられています。

そうなると後は、ランニングフォーム改善自体に社会課題とそこからの顧客価値があるのかです。そこを測るためにコニカミノルタでは以下のことをやりましたが、その前に、高専生に質問が出ました。「ランニングフォーム改善自体に顧客価値があるかどうかを測るためにはどうすれば良いでしょうか?」

  1. 市民ランナーが走る目的を聞いた上でフォーム改善をしたいかアンケートを取る
  2. フォーム改善するための課題を聞いた上で改善するために必要な情報をランナー・コーチに聞く
  3. アプリ画面を紙芝居っぽく見せてフォーム改善に必要な情報が揃っているかインタビューする
  4. システムを試しに作ってみて試してもらってよかった点と改善点を聞くモニタ体験会を開く

これは読者の皆さんはわかりますよね?

高専生に多かったのは4でした。しかし、正解としては全部です。もしどれか選ぶとしたら1の選択肢が答えに近いです。ここもまた高専生では理解しづらい点でした。どうしても4の方がインパクトも見た目もいいとは思いますが、そのシステムを作ること自体に時間とコストがかかってしまいますからね。まず顧客課題を正しく認識していないと事業として打ち出せるのかどうかを考える段階で多くのコストを使ってしまいます。

ここまでの地道な作業と自社が持つ技術を生かすことで新しい事業を創出していっています。

最後に高専生に対してコニカミノルタから

テーマ「AIを搭載したエッジデバイス」を使ってSDGsに取り組む
テーマに沿ったアイデアソン・ハッカソンが来週行われる予定で、講義は終了となりました。

まとめ

ものすごく、本音の事業創出プロセスを聞くことができました。学校では味わうことができない事業の創出について学べて貴重な経験だと思います。高専生はDCON本戦にも参戦しますので是非、この経験を生かせる舞台があるので生かして頑張っていただきたいですね。事実AI/IoTを設計できるだけでは良いAI事業はできません。AI自体が重要ではなく、事業におけるAIはどこまで行っても手段になります。そして、今回のオンライン講義を見て、どんな有名な企業も事業がパッと浮かんでもそのアイデアに本当に需要があるのか?需要があっても、コストと時間を天秤にかけたときに事業としてやっていけるのか。今現在、多くの事業やサービスは今回のような地道な確認や分析が行われていることを改めて認識できたきっかけにもなりますね。

記事の内容等について改善箇所などございましたら、
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どうぞよろしくお願いします。

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