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機械学習を用いてコンピューターに概念を識別させる

機械学習を用いてコンピューターに概念を識別させる

論文

エネルギー関数を用いて2次元上に存在する点に関する「近い」「上側」「間」「遠い」といった概念を識別・生成を行える学習モデル「Energy-Based Model」の研究結果が発表されました。このモデルは、たった5回のデモンストレーションから概念を学び、また、その成果は2次元だけでなく3次元においても応用が可能であるとのことです。
https://blog.openai.com/learning-concepts-with-energy-functions/://blog.openai.com/learning-concepts-with-energy-functions/

エネルギー関数を利用して概念を分類

計画・類推的推論・問題解決・言語能力など、人間が持つ秀でた能力である「経験から概念に昇華させる」という力は、限られた経験から抽象化しモデル(公式化)を見いだすことです。

GoogleでAIの研究をするIgor Mordatch氏は、エージェントが与えられたタスクから自ら学んで概念を抽出し、異なるドメインにおいてもその概念を応用することに成功しました。

その一例として挙げられているのが、以下のようなロボットにおける応用です。2次元空間に展開される事例を学習し、そこで得られた概念を3次元空間に応用することが可能です。

 

この研究では、エネルギー関数を使用して、エージェントが単純な概念を分類して生成することを学習できるようにします。

これを使用して、異なる環境で2点間を移動するなどのタスクを解決できます。概念の例として、ビジュアル(「赤」または「正方形」)、空間的(「内側」「上」)、時間的(「遅い」、「後」)、社会的(「積極的」、「役に立つ」)が含まれます。また、一度学んだこれらの概念は、エージェントの理解と推論の基本的な構成要素として機能します。

エネルギー関数は、正方形の概念のように、基本概念を生成(左)して識別(右)できるシステムを構築することを可能にします。

 

以下は空間領域の概念の場合:デモンストレーションとして与えられた2次元上の点の配置から(左)、エネルギー関数が推定され(中)、確率的勾配降下法を使って新たな点が生成される様子(右)。

 

上記の技術を用いてコンピューターが学習を行うことで、特定の空間的関のセットを分類して生成すること、あるいは特定の方法でナビケートすることで、「1つ、2つ、3つ、3つ以上」といった量などの概念の分別・判定を行えるようになったとのことです。

 

 

Mordatch氏によると将来的には、より豊かな3次元の環境で学んださまざまな概念を活用し、エージェントの意思決定方針と概念を統合する事も視野に入れているとのことです。

さらに概念と言語理解の間の関係性に関する研究も行なっていく予定であると述べます。

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