AIを導入するならカスタムAI!技術と社会の懸け橋を担うLaboro.AIとは

AIを導入するならカスタムAI!技術と社会の懸け橋を担うLaboro.AIとは

「シンギュラリティ」「ビッグデータ」「デジタルトランスフォーメーション」など、AIにまつわる多くのキーワードが世界中を駆け巡り、多くの期待と不安が世の中を包みこんでいると思いますが、機械学習のビジネスへの実応用の最前線は一体どうなっているのでしょうか?

アカデミックの世界では、日を追うごとに目を見張るような新しい技術が研究されていますが、そのまま社会に実応用できるかといえば、難しい側面もあります。

機械学習の最先端の技術と、社会への実応用をつなぐ橋渡し的な役割を担っているのが、Laboro.AIです。

Laboro.AIでは、オーダーメイドによるAIソリューション「カスタムAI」を開発・提供しています。企業のニーズを把握して、AIをカスタマイズすることで独自のソリューションを提供するサービスは、一見聞くと、とても難しいサービスだと感じますが、一体どのように実現させているのでしょうか?

今回は、その「カスタムAI」を開発・提供しているLaboro.AIの代表取締役CTOを務める藤原 弘将さんにインタビューし、機械学習の実応用最前線に迫ります。

 

(左上)代表取締役CTO藤原 弘将さん (右上)AI-SCHOLAR編集部榎本 (中央下)リードマーケター和田 崇さん

AIの実用化に関して

Q1.Labro.AIを創設するに至った経緯とは?

 京都大学大学院の修士課程を修了後、産業技術総合研究所で研究員として機械学習を研究しており、技術サイドだけでなくビジネスサイドにも携わりたいと考えてボストンコンサルティンググループに入社しました。技術とビジネスそれぞれの領域に携わってきた中で、機械学習とビジネス双方を理解し実応用につなぐ存在の必要性を感じ、CEOの椎橋とともにLaboro.AIを立ち上げるに至りました。

Q2.AIの出力結果をどう社会に応用していくのか?

AIの精度が100%になることは原理的にありえないため、結果をありのままに認識したうえで、どう活用するかを考える必要があります。例えば製品検査工程へのAI導入を考えた場合、人間が全量を検査するのが難しいとすれば、AIの精度が人間ほど高くないとしても、人の作業をフォローするようにAIを用いることで全体として業務効率が改善する可能性があります。つまり、各企業ビジネスのオペレーションを理解して、適切に実装していくことが重要です。

Q3.アカデミックな研究開発と、ビジネスにおけるAI開発の違いは?

アカデミアでは、新規性に研究の価値が置かれますが、ビジネスにおいてはあくまで手段として機械学習を用いることが大切で、どう実用化するかを考えなければいけません。研究的な世界一の精度を目指すことよりも、ビジネス現場で使えるものをいかにクイックに出せるか、よりプラクティカルな部分が重視される点に違いがあると言えます。

Q4.AIに対するマーケットの期待の大きさをどう捉えますか?

ひと昔前はAIに対する過度な期待もありましたが、最近は落ち着きを見せていて、具体的に実用化される事例が出始めてきているように感じています。裏を返せば、AIバブル的なものは弾け「とりあえずやってみよう」ではビジネスとして成り立たず、意味のあるAI活用が求められる時代に入っているように感じます。

Q5.AI実用化に対するコロナウイルスの影響をどう捉えますか?

ビジネス観点では、目下の営業実績というところにはネガティブに働いていますが、リモートワークなど働き方改革などを含めたデジタルトランスフォーメーションへの意識は高まっています。つまり、AIの実用化が少しずつ進みつつあり、本当にビジネス上で価値のあるAIが、今後、普及拡大していくと考えています。

例えばリモートワークに関して言えば、見えないところをAIで見えるようにしたいという声も多くなっています。成果をどのように定義して評価するかが重要だと考えていて、成果を数値に落とし込むことが出来れば、HRテックへの展開も進んでいくと思います。

「カスタムAI」サービスに関して

Q1.なぜ決まった商品を提供するのではなく、カスタムAIなのか?

機械学習はまだ発展途上にあり、今後ますますの進歩が期待できる技術領域です。そのため、当初時点で固定された一つのプロダクトで未来を見据えるよりも、クライアントのニーズに合わせて要件定義を行い、AIをどう使うかを状況に応じて一緒に考えていく方が、長期的にみて大きなインパクトをもたらすと考えました。

また、私たちはAIを企業の競争力優位に貢献する技術と捉えており、バックオフィスへのAI導入というよりも、クライアントのコア事業へのAI導入に重きを置いています。AIを競争力につなげるためには、汎用的な問題解決を目指すパッケージではなく、個別開発によって企業独自の課題解決を行うことが重要だと考えています。

Q2.カスタマイズできる柔軟性と技術力をどう確立するのか?

当社には画像、自然言語処理、音声認識、強化学習など幅広いフィールドの優秀なエンジニアが集まっていますが、新規性や世界一のAIを開発することを目指すよりも、技術をキャッチアップすることを重視しています。つまり、斬新なものを開発し続けるのは現実的に難しい一方で、技術的にしっかりと確立されたものの情報を押さえ、早いスピードで使いこなすことは比較的容易であり、そこに重点を置いているということです。

また、当社ではソリューションデザインという役割を設けており、課題に合わせた設計を事前に確実に行うことで、必要な技術や要件が整理され、柔軟性を発揮することが出来ます。柔軟性を担保する上では、各クライアントで細かい部分が異なっていたとしても、ある程度の考え方やソリューションの提供の仕方という点では共通していることが大きいと考えています。

Q3.産業分野でのカスタムAI開発の代表的な事例は?

人材と職業の最適なマッチングを目指した、パーソルテクノロジースタッフ株式会社様の例があります。従来の人材派遣ですと、派遣先企業と派遣スタッフのマッチング業務を多くのキャリアドバイザーが人手で対応しており、最適なマッチングに多くの試行錯誤を繰り返す必要がありました。

(提供:Laboro.AI)

そこで、過去のデータを利用して関係性を学習させたAI搭載マッチングエンジンを導入することで、単純な絞り込み検索の域を超えて、重要な条件を取捨選択し適性のあるレコメンドをすることが実現しつつあります。結果として、キャリアアドバイザーの業務負荷を低減するほか、派遣されるエンジニアの方々により多くのキャリア選択を提示できるようになりました。
※プロジェクト事例詳細:パーソルテクノロジースタッフ株式会社様

(提供:Laboro.AI)

画像アプローチからの手書き文字読み取りですと、大手生命保険企業様の事例としてあげられます。生命保険の保険請求書は、手書きの紙ベースで行われるのが一般的です。その審査の過程で、人手で読み取ってタイピングで情報をまとめていました。単純にOCRで読み取ろうとしても、業界専門用語や表現に揺らぎが多い言葉を解読するのには限界があります。そこで、OCRで文章解読を目指すことから発想を変え、診断書の画像→デジタル文字列→病名コードというフローを、診断書の画像→病名コードへと直接変換できる識別機モデルを開発しました。最終的な病名コードの保険金システム登録までには何重にもチェックが入るため、最初の1人目の識別作業をAIに置き換えることで、業務負荷低減につながります。
※プロジェクト事例詳細:大手生命保険企業様

(提供:Laboro.AI)

建設物の制振制御に取り組んだのが、株式会社大林組様とのプロジェクトです。産業実装例が少ない強化学習を用いた取り組みで、建物に設置した重りをコンピューター制御で能動的に動かし、揺れを相殺させるものです。今回は物理計算にもとづくシミュレーション環境を構築し、シミュレーター上で効果が高い制御則を獲得しました。次いで、大林組技術研究所にて造られた橋を実験場として利用し、検証実験を行いました。
※プロジェクト事例詳細:株式会社大林組様

(提供:Laboro.AI)

Q4.一見難しそうなカスタムAIというサービスの障壁をどう突破してきた?

技術的な面でいうと、やはり情報のキャッチアップ力ですね。あとは、ビジネス特有のデータを扱うことには、経験による工夫が求められる点だと思います。GitHubなどオープンに公開されているものは、研究用のデータとしてチューニングされていますが、実世界で取得できるデータはデータの前処理が重要になってきます。例えば、先ほどの大手生命保険会社様の例ですと、画像識別に落とすアイデアが出たとしても、画像が横長且つ手書きという特殊なデータなので、データオーギュメンテーションや前処理の段階で工夫する必要があります。そのノウハウは、今まで培ってきた経験から確立しています。

ビジネス面でいうと、どういう問題を解決したいのかを明確にすることですね。例えば、手書きのOCRをしたいという要望があったとしても、本質的にはその他の方法でアプローチしたほうが課題を解決できる場合があります。つまり、ソリューションデザインの部分で、どのような課題があって、どんなデータを持っているのかというヒアリング力が重要になってきますね。

Q5.お問い合わせから納期までのフローはどうなっている?

お受けするケースには大きく2つのパターンがあります。

①技術アドバイザリーやコンサルティングのみをお受けするパターン

②上記に加えて、PoC開発を行うパターン

(提供:Laboro.AI)

いずれの場合も、まずは当社のソリューションデザイナがコンサルティングを通してニーズをお伺いすることが最初のステップとなります。パッケージの方がお客様のメリットが高ければ率直にそちらをお勧めしますが、カスタムして解く価値があれば、内容を整理した上で提案をさせていただきます。プロジェクト化となれば要件定義を進め、頂戴したデータを用いてAIモデルを開発し、評価し、使えるかどうかの目処を立てていきます。その後、実際のシステムへの組み込み、運用となります。必要に応じて再学習を行うなど改善を行います。フローに関してはケースバイケースで、一部のフローのみをお受けすることもありますし、問題が単純であればすぐに開発に進むこともあります。

Q6.最後に、今後の事業展開について教えてください。

技術とビジネスをつなぐという観点からすると、今までなかなかデジタル技術が使いづらかった業界に大きな可能性があると考えています。先ほどの大林組様の例でもそうですが、建設現場や製造現場など物理的な作業現場ではとくに機械学習が力を発揮すると考えています。各業界のリーディングカンパニーとの取り組みを積極的に進めさせていただき、広く深く展開していきたいですね。(了)

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